賃貸中のマンションの任意売却
先日マンションにお住いの方から、仕事もうまくいかず家計が苦しくなったので住宅ローンの支払いが困難だ。不動産を売却してできるだけ債務を減らしたいと相談がありました。
事情をお聞きすると、既に1年前に転居し、空き家にするのはもったいないので、賃貸で家賃を得ているとのこと。
このままの状態で任意売却をしたいと相談がありました。
債権者に任意売却の申し出を行ったところ、「賃貸中の不動産は原則任意売却を認めない方針である。その理由は賃借人の協力なしには任意売却が進まないことと、任意売却できず最終的に競売になれば、時間だけが浪費するからです。」との事。
債権者の意見はもっともです。
そこで私たちが提案したのは、
「賃貸人に事情を説明し、協力を得ることができればどうでしょうか?
具体的には、査定書の作成やお客様の案内の協力、買主が決まった時は、速やかに明け渡していただくことです。」
「それなら進めることは可能です。」
早速、相談者と一緒になって、入居者に協力を求めたところ、最初はびっくりされましたが、事情をご理解いただき何とか協力いただけることになりました。
「賃貸人に事情を説明したところ、そういう事情なら分かりました。
買主が決まれば近くに引っ越しする。売却に協力しますと言ってくれました。」と債権者に説明をし納得してもらい、任意売却を無事進めることができました。
とても協力的でいい方が住まれていたので、任意売却を進めることができましたが、一つ伝え方を間違えると、このようになることがあらかじめ分かっていながら賃貸したとトラブルにもなりかねません。入居者の不満や不安を解消することもとても大切なことです。何事も誠実に対応することが大切だと思います。
相談者の背景や状況は千差万別ですが、一人の相談者に対しては、いろんな解決のオプションを用意しご提案できるよう日々努力を重ねていくしかないと思う今日この頃です。