任意売却と引っ越し①
任意売却を進める際に、相談者から質問で一番多いのが引越しの件です。
最近の傾向としては、任意売却の専門会社としての解決した実績などを紹介する会社が増えてきましたが、実績を装うために引越し代について誤った情報が氾濫するようにもなりました。
特に、他社と差別化するために、「引越し代70万円確定」「100万円捻出の実績」などとダイレクトメールや直接訪問などで伝える業者も増えてきたので注意が必要です。
債権者も行儀の悪い業者を排除する傾向が強いので、業者も露骨にホームページ等ではアピールはしませんが、70万円や100万円などは、ほとんどありえないと思ってください。
特に多い質問をまとめてみました。
①この家にいつまで住めるの?
②引越し先の手配はどうしたらいいの?
③引越し費用はいくら出るの?
④引越し費用に含まれるものは?
⑤引越し費用の上限はあるの?
⑥引越し代は必ず出るの?
今回は実際に寄せられた内容について、順を追って説明いたします。
①いつまで住めるの?についてです。
これは、住宅ローンの滞納が始まった時期によって大きく変わります。
まだ滞納が始まったばかりの方と、競売の申立てをされた場合では、最長1年6か月程度の期間に差が出ます。
住宅ローンの滞納が始まって6か月が経過すると、分割で支払いを継続できる権利を無くすことになります。これは専門用語として期限の利益の損失と言います。
期限の利益の損失後に任意売却を進めることになりますが、任意売却の申し出をせずに放置すると、債権者は競売の申立てを行います。
任意売却の申し出を行うことで、債権者の同意のもと、売出し価格を取り決めて販売活動を行います。
販売活動期間は6か月ですが、市場性や不動産の価値によっては販売できないこともまれにありますので、6ヶ月経過後は競売の申立てをすることになります。
競売手続きは通常半年程度で終わってしまうので、落札者との間で明け渡しの交渉を行うことになります。
それが煩わしいので、ご自分から競売される前に引越す方も多いのですが、ぎりぎりまで住み続けることも不可能ではないので、慎重な対応が必要です。
引越しに関することで、不安や疑問に思うことがあれば、何なりとご相談下さい。