契約書持ち回り
通常の売買契約は、売主様買主様双方が立ち会ってから行います。
仲介業者の宅建主任者が、買主様に売買対象不動産の重要事項を説明します。
売主様にも立ち会っていただき、説明の内容に間違いがないか検証頂きます。
専門的な説明がほとんどですが、売主様でなければ知りえない事実もありますので、詳細な確認が必要です。
次に売買契約書の内容についても細部まで説明を行ったうえで、売主買主双方納得の上契約書に調印します。
しかし双方の時間が合わない場合や、どちらかがあえて立ち会いたくないという理由で、契約書を持ちまわって調印する場合がよくあります。
特に任意売却の場合は、売主様に何らかの事情があって、立ち会いたくないというケースがよくあります。
しかしこの慣習が思わぬ落とし穴になる時があります。
売主様は何らかの理由で任意売却により自分の大切な財産を処分するわけですから、きっちりとした説明がなく仲介業者主導で行うと売主様に不信感を与えてしまいます。
仲介業者によっては、契約書の持ち回りはトラブルになりかねないので、原則双方立ち会いの上説明して契約することにしているところも多いのです。
海外に移住しているとか、国内でも遠方にいて時間が取れない場合などは、持ち回りで契約する場合もありますが、極力双方立ち会いが望ましいと感じております。
業界の常識は一般消費者からすると非常識に映ることが多々あります。
習慣というものは恐ろしいもので、それが当たり前という意識で進めているケースが多いのです。
任意売却を進める際も、常に相談者が何を不安に思い、どのような解決策を求めているのか、何が一番の価値につながるのかを相談者の立場で提案することが大切だと感じます。
売主様買主様双方からの信頼を得られるよう、業界の常識をいい意味で疑ってみたいと思っております。
これからも言行一致を心がけてまいります。