中小企業経営者からの相談②
最近の傾向として中小企業の経営者や、以前は経営者だったという方からの相談が増えています。
なぜ以前は経営者だった方からの相談が増えているかと言えば、事業が回らなくなり、会社を整理する方向にすでに舵を切っておられるからです。
具体的に言いますと、弁護士を通して会社と個人の自己破産の手続きを進めています。
法人ですと、申し立ての後に裁判所から破産管財人が選任されます。
破産管財人は、中立公平な立場で破産申立人の財産を精査し、換金できるものがあれば速やかにそれを現金化し、債権を届け出た債権者に対して配当をいたします。
会社の規模や債券債務の大小や換金の複雑さによって、終結するまで時間のかかり方に違いはあります。
明らかに資産が少なく負債が大幅に上回っている場合は、煩雑な事務手続きを省く為、破産申し立ての前に不動産を競売や任意売却で処分し、資産がほぼ無い状態で申立てを行うのです。
弁護士の先生は法律には精通していますが、不動産の取引や価格の妥当性については素人とあまり変わりませんので、自らが中心になって任意売却による不動産の処分を積極的には進めません。
競売で処分する方が手間もかからず、公的な手続きによる売却なので、価格や処分の方法の妥当性について大義名分が立つのです。
しかし、元経営者の立場からすると、「ボロは着てても、心は錦でありたい」
会社は倒産の憂き目にあっていますが、せめて自宅は堂々と自分の意思で売却したいというプライドがどこかにあるのです。
そのような心情を察し、長年住んだ家や、思い出がたくさん凝縮された自宅を自分の意思で良いお客様に引き渡せたら、心も救われるのです。
どんな辛い境遇でも一点の光がさすと、新しい希望が見えてくるのです。
どうか中小企業の経営者の皆さんも、一点の光を求めて、どんなことでも相談してください。